大船渡へと向かってバスに揺られている。
三年ぶりの、大船渡だ。
新幹線はやぶさを降りるとモワッと夏の暑さが体を覆う。東北だから少しは涼しいのかと勝手に想像していたが、暑さはやっぱり天気予報通りで、どこもそんなに変わらないようだ。
今回は大船渡出身のピアニスト、桑原裕子さんが主催するコンサートの大船渡公演に、ダンスで出演する。三年前は参加人数が少なかったので車で行ったのだが、今回は弦楽団がいて大所帯だ。なので一関まで新幹線で、そこから貸切バスで向かう。
バスに乗り込むと涼しいエアコンの空気に一気に力が抜ける。暑さに年々弱くなっている気がするけれど、この頃の暑さは命の危険がある暑さだ。エアコンは生命線だ。
一人二席使う形で満席になったバスが発車する。
窓から見える緑が濃く、夏の光もあってより生命力を感じさせる。太陽が眩しく世界を照らしている。東京でよく見かける草を見つけても、なんだか色が違うように見える。窓から見える緑が続く。生い茂る緑と、空の青と、夏らしい入道雲。自粛ばかりだった身にその風景は新鮮だ。
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