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執筆者の写真水越朋/Tomo Mizukoshi

図書館

作品のことについてあれこれ考えようと図書館に行く。

家の一番近い図書館ではなくて、駅の向こう側にある中央図書館へ向かう。天気は暑く強い日差しに負けそうになるが、天気は崩れる予報が出ている。サングラスとレインコートを持って出かける。


わたしの暮らす地域は図書館で借りたい本はネットで予約することができ、近場の図書館で受け取ることができる。とても便利なシステムでしょっちゅう利用しているが、図書館に行くのはそれとはまた違った楽しみがある。予期せぬ本との出会いがあったり、なんとなく手に取った本を読み耽ってしまったり、ぼんやり考え事をしたり、また違った楽しみがある。ひとがそれぞれに過ごしていて、静かなところも好きだ。

中央図書館に行くと大抵アート関連、生物関連、料理裁縫、旅行、この辺りを物色する。小説は大好きだが中央図書館ではなぜだかあまり小説の本棚にそそられない。(家の近くの図書館では小説コーナーを時間をかけて見て回る。何が違うのか、自分でもよく分からない)


あと返却棚が面白い。借りられていた本が返却され、本棚に戻る前にまとめられている棚だ。自分じゃ見つけられないようなテーマ、それでいて面白そうで、デザインもすっきりとして読みやすそうな、あらゆるジャンルの本たち、この棚を物色するのにも時間がかかる。


適当な本を持って椅子に座って本を開く。本当は机の席で作品ノートを開いておきたいが、席数は感染防止対策で減らされ、いつ行っても空いている席はない。皆朝からいるのだろうか。 幸い、本棚の背に合わせて置かれている丸椅子ならば大抵すぐに空いている席を見つけられる。


本に囲まれている。ここにある本を全て読んで良いなんて、幸せな気持ちになる。

知らない世界がたくさんある。

そうはいってもなかなか速く沢山は読めないんだけど、手を伸ばす自由があるのは嬉しい。ちょっとチャレンジしてみようかと、読めないかもしれない本にも手が伸ばせる。


この日は1ヶ月かけてまだ読み終わらない小説を再度、それと芸術概論と、サブカルもの(古いタンスみたいな良い匂いがした、前借りた哲学本はタバコ臭かった、匂いからもその本を借りる人が見えてくる)と、四コマエッセイ(返却棚から見つけた、少し前に話題になっていた有名な本)を借りた。作品について考えにいったはずなのに、テーマになる本はなさそうだ。でも無関係でもない。はず。

貸し出し期間は二週間、ここ1ヶ月読んでいる小説をそろそろ読み終わりたい。

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