今月の中頃に、引っ越しをした。
都内での移動なのでそんなに遠くには移動していないけれど、部屋は少し広くなった。
引越し先の近くは暗渠の道がある。
細くうねり曲がり続く道を歩くと道を歩くというより流れている気分になる。
家の周りは入り組んだややこしい住宅路で、まだ道が覚えられないためその暗渠の道に出られると安心する。あとは身を委して流れていれば暗渠はちゃんと家へと運んでくれる。
暗渠の道沿いにある家はなんとなくのびのびしている。
敷地内から大きくはみ出した大量の園芸植物たちが並ぶ家、空へひょろひょろと伸びているひまわり(もうすぐ冬なのに花が咲いている)、部屋の中の広々としたリビングとそこにある大きなテレビが道から覗けてしまう家(おしゃれな外見だけど暗渠から丸見えなその家は少し間抜けで所帯染みている)、、、
この住宅街はなんとなく、人の我を感じるところが好きだ。
我が外へはみ出している。そしてそれも暗渠の川に流れていく。
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